坂道と函館山
フィンランドは真っ平らな国で、山といえるような山はないので、急な坂道がある街というものもほとんどなく、函館のような起伏に富んだ地形は、とても新鮮に感じた。
海があって山もあり、和洋折衷の家々の佇まいも素敵な街、函館。
函館には沢山の坂道があり、函館山に行くまでの坂の途中には洋館やそれを利用した素敵なカフェが幾つも並んでいて、日本でも何処でもないような不思議な異国情緒を感じさせる。
外国人墓地はロシアや中国、プロテスタント、カトリックなどに分かれ、みんな海を見下ろせる一等地に建てられていて、祖国へ帰ることなく異国で最期を迎えた人々を悼み弔ったのだろう。
自分は死んでもお墓はいらないと思っていたけれど、こんな場所に埋めてもらえたら、安らかな眠りにつけそうな気がした。
道ですれ違った通りすがりのおばあちゃんが、「長年住んでいる地元の人間でも、この坂道は堪える…。」と言っていたほど、本当に坂が多くて、何本もの道をふぅふぅ言いながら上り下りしているうちに、いつの間にか函館山に登るロープウェイの入口に辿りついた。
かなりの大人数が一度に乗れるロープウェイで一気に頂上へ。函館の街がみるみる小さくなり、街の全景が見えてきた。ゆるやかに海が入り組みカーブを描いた地形も美しい。
頂上のレストランで日没まで過ごし、夜景も見ることが出来た。この函館山からの景色を見るだけでも、この街を訪れたいと思うくらい、見とれるような風景だった。
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