9年ぶりのRut Bryk

EMMA(エスポーモダンアート美術館)へ、Rut Brykの展示を見に行って来た。

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Rut Brykと聞いても、日本ではあまり知られていないかもしれないが、フィンランドデザインの巨匠Tapio Wirkkalaの妻と言うと分かりやすいだろうか。夫妻共々フィンランドでは名の知れたアーティストだ。
Rut Brykの作品はヘルシンキ市庁舎や大統領公邸などの壁面にも飾られている。

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Rut Brykを初めて知ったのは、今からかれこれ9年前のデサインミュージアムでのこと。
前知識も何もなく訪れた展覧会で、その作品の可憐さや繊細さ、独特のモチーフや色彩感覚にすっかり魅了されたのだった。セラミックアート自体ほとんど初めて触れたということもあるけれど、何でこの人を今まで知らなかったのだろうか!?と、けっこう衝撃的だった。

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今だったら、日本でも大人気のリサ・ラーソンを思い浮かべていたかもしれない。(Rut Brykの方がもっと前の時代の人だけれど)。
初期の作品はとくに、植物や動物などの身近な物をモチーフとしていて、夢見るような乙女心や子供のような無邪気さが漂っていて、とても愛らしい。

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中期から後期にかけて制作されたアブストラクト作品は、セラミック製の細かいピースが気の遠くなりそうな程びっしりとモザイクのように組み合わされていて、以前見た時はすごいなぁと感心はしてもそこまで惹かれなかったのだけど、今回9年ぶりに見てみると、その緻密さの中に浮かぶ色彩や浮遊感、見る者の想像力や心象風景を掻き立てるような、それでいて詩的で静謐な佇まいに、改めて唯一無二のアーティストなのだと思った。

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デザインミュージアムでの展示の時は、まだフィンランドに住む前で、当時付きっていた夫の所に遊びに来ていただけだったので、帰りのことも考えて分厚く重く高価な図録は泣く泣く諦めたのだけど、その後探してもまったく見つからず後悔したので、今回の展示では絶対に図録は手に入れようと決めて行った。EMMA編集の図録は、装丁も洒落た感じで素敵。デザインミュージアム版の方もいつのまにか再販されていたけれど。

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印刷になると、実際に見た時のエナメルコーティングされたようなキラキラ艶のある釉薬部分と、素焼きの艶のないマットな部分の対比など、質感がなかなか再現しきれていないのが惜しいところだけれど、次回Rut Brykの作品に再会出来るのはいつだろうか…と思いを馳せながら、家でゆっくりと作品を眺めるのは、やはり至福の時なのだった。


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2016.07.04 | アート/デザイン

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