パンを焼く
最近になってやっと、パン作りに目覚めた。鍋でご飯を焚くように、ほぼ毎日パンを焼いている。
私が作りはじめたのは、高加水パンというもので、捏ねなくてよく、STAUB(ストウブ)という鍋で焼くだけという、食いしん坊だけど面倒くさがりの自分に合った方法(笑)。
材料は強力粉、イースト、水、塩のみと、いたってシンプル。高加水というだけあって水分量が普通のパンより多く、長時間発酵が特徴。焼きあがるまでトータルで15時間以上はかかるけれど、前の晩に材料をボールかタッパーに入れてヘラでささっと混ぜ、夜寝ている間に一次発酵させておくので、さほど時間がかかるという感じはしない。次の日にストウブ鍋の中に生地を入れて室温で2時間二次発酵させて、あとはオーブンに鍋ごと入れて焼くだけ。
これだけで、パン屋さんで売られているようなバゲット風のパンが、初心者の私でも出来る。
外側はパリパリ中はモチモチの焼きたてパンは、とても美味しい。
この方法で作れば、失敗するということはまずないと思うくらい、作り方も簡単なので、またすぐ作ろうという気持ちが持続できるのも良い(笑)。
パンは主食で、夫も息子も毎日沢山食べるので、1斤なんて1、2日でなくなる。ホームベーカリーがあった方が経済的かもと思っていたけど、道具を買い足す必要もなく手持ちの鍋で出来るのはとてもいい。
赤ワインとシナモンスティック漬けレーズン、白ワイン漬けイチジクなどのドライフルーツや、クルミなどのナッツ類、ドライトマトやバジルペーストを入れたり、自分の好きな具材を好きなように入れられるところも手作りならでは。
コアントローに漬けたドライのクランベリーは香りが良く見た目も鮮やか。
トマトジュースを入れたら、きれいなサーモンピンク色のパンができた。
フィンランドは粉の種類も多く、ライ麦や全粒粉、大麦、セモリナなどいろいろな粉が普通のスーパーでも簡単に手に入るので、毎日作るうちに配合や配分を変えてみたり。
パンの焼けるいい匂いが部屋中に広がると、何ともしあわせな気持ちになる。
出来たての温かいパンを乾燥しないように布にくるんだ姿は、生まれたての赤ちゃんみたいで、見るたびに柔らかな気持ちになる。
日本に住んでいた頃は、パンが大好きで、美味しいと評判のベーカリーのパンをいろいろ食べ比べたりしていたが、フィンランドに住んでからはパンが主食となり、毎日嫌でも食べるようになると食傷気味になってしまい、あまり食べなくなっていた。
こちらのパンは噛みごたえのあるグラハムやライ麦、オーツ麦などの固いパンが主流で、日本のような白くてふわふわしたパンはない。何年も固いパンを齧っているうちに顎関節症になり…、ここ最近はさらにパンを食べなくなっていたけれど、鍋でパンを焼きはじめてからは、焼きたては柔らかめなので、顎にも優しい(笑)。
仕事の合間をみて、夕食の時間に間に合うように、ぱぱっとパンを焼くことが、このところの日課になっている。
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