北へ、そしてまた南へ
クリスマスイブから、夫の実家のあるロヴァニエミへ帰省した。
今冬のフィンランドは全体的に普段よりかなり暖かい方だけれど、そうは言ってもさすがにラップランドは、−20度以下の日もあり、クリスマスの翌日から冬馬は熱を出し、それから夫や私と次々熱が出て、また全員寝込むはめに…。
ここ数年、冬に帰省すると決まって家族全員体調を崩し、ほとんど外出もままならずにヘルシンキへ戻る…ということが続いている。
今年もまたそういう状況だったけれど、私は冬のラップランドが好きだ。
Kaamos(カーモス)、日本語では「極夜」と呼ばれるこの時期は、白夜の真逆で、ほぼ一日中太陽が昇ることはない。それでも雪があると、その白さが不思議な青白い光を放っていて、ピンと張りつめたどこまでも静かな空気の中で、まったく音のない世界に、シーンという音が微かに聞こえてくるような気がする。
それは私にとって、なんとも言えない懐かしいような風景で、生まれ育った福島の冬や、子供の頃の記憶がよみがえって来る。
辺り一面どこまでも真っ白に雪が降り積もった中、道路も田んぼも境目がなくなって、出鱈目に歩き回りながら一番最初に足跡をつけている子供の姿。自分の原風景のようなものに近いものを感じる。
大晦日の前日にヘルシンキに戻って来たら、暖かくて海の氷も積もっていた雪も溶けていた。
南の風景もまたいい。それは今まで、海の側に住んだことがなかったから新鮮、という感覚。
毎朝起きるたびに、未だに飽きることなく、海を見に行ってしまう。海辺をぐるぐる歩き回ったり、ずっと先まで遮るものがない地平線を眺めていると、開放感がある。
新しい年まであと数時間。海辺ではもう何時間も色とりどりの花火が打ち上げられている。フィンランドでは新年など特別な日だけ、花火を打ち上げることが許されている。年明けまで続くのかな?
いつも新年の抱負などもまったく立てないし、流れのままにという感じだけれど、来年はどんな年になるだろう?
皆さんも穏やかな新年をお迎えください。
Rauhallista uutta vuotta!
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