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草間彌生 Infinity

今週1週間、ヘルシンキの学校は秋休みだった。休み最後の日曜日は、ヘルシンキ・アートミュージアムで開催中の草間彌生「Infinity」を冬馬と見に行った。

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会場入り口には、お馴染みの水玉オブジェが天井から釣り下げられていて、すでに草間彌生の世界が始まっていた。

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鏡を巧みに使い、水玉で埋め尽くされた空間や、うねうねと伸びてゆく水玉模様の不思議な生物、無数のてんとう虫のような水玉模様のLEDライトが水面に反射しながら徐々に色を変えてゆく、といった無限な広がりを感じさせるインスタレーション作品は、大人も子供も楽しめる。

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天井も床も入り口も出口も一瞬自分がどこにいるか分からなくなるような強烈なカラーの空間に入ると、頭の中がちょっとしたパニックになる。永遠にこんな空間に閉じ込められたどうしよう…と薄ら恐怖を感じる人もいるかもしれない。

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草間彌生は、子供の頃から幻聴や幻覚に悩まされ、そこから逃れるためにそれらを絵に表現し始めたらしいけれど、作品を見ているとなんだかその感情がわかるような気持ちになってくる。単に鮮やかな水玉模様のポップな作品世界ではないことが理解できる。

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それでも子供たちは、素直にその摩訶不思議な空間を楽しんでいた。
草間彌生がひたすらマジックペンで、増殖してゆくアメーバのような生きものを描き続けている映像が流れていたのだけど、冬馬はカッコいい!と言って、ずっとそれらを飽きもせず食い入るように眺めていたのが意外だった。子供は直感的に感じているのかな?と思ったり。

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展示を見終わって入り口を出た所には、すべてが白い部屋があり、そこを訪れた人達は一人一人水玉のシールを渡され、各々好きな場所に貼るという参加型のインスタレーションも行われていて、それらも子供たちは楽しんでいた。

草間彌生の作品を前回見たのは、2004年の森美術館の「クサマトリックス」以来で、それから実に12年ぶりの展覧会は、まさかフィンランドでまた見られるとは思っていなかったので、なかなか感慨深いものがあった。
この北欧での回顧展は、デンマークを皮切りに夏はお隣スウェーデンのストックホルムで開催され、10月からヘルシンキへ巡回して来たのだけど、一番明るい季節の夏の方が作品に合っていたのに…という声を聞いたりもして、私もちょっとそう思っていたけれど、逆に太陽の光りがどんどん少なくなってゆく今の季節に来てくれて、パワーをもらえた気がする展覧会だった。

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2016.10.24 | アート/デザイン

9年ぶりのRut Bryk

EMMA(エスポーモダンアート美術館)へ、Rut Brykの展示を見に行って来た。

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Rut Brykと聞いても、日本ではあまり知られていないかもしれないが、フィンランドデザインの巨匠Tapio Wirkkalaの妻と言うと分かりやすいだろうか。夫妻共々フィンランドでは名の知れたアーティストだ。
Rut Brykの作品はヘルシンキ市庁舎や大統領公邸などの壁面にも飾られている。

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Rut Brykを初めて知ったのは、今からかれこれ9年前のデサインミュージアムでのこと。
前知識も何もなく訪れた展覧会で、その作品の可憐さや繊細さ、独特のモチーフや色彩感覚にすっかり魅了されたのだった。セラミックアート自体ほとんど初めて触れたということもあるけれど、何でこの人を今まで知らなかったのだろうか!?と、けっこう衝撃的だった。

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今だったら、日本でも大人気のリサ・ラーソンを思い浮かべていたかもしれない。(Rut Brykの方がもっと前の時代の人だけれど)。
初期の作品はとくに、植物や動物などの身近な物をモチーフとしていて、夢見るような乙女心や子供のような無邪気さが漂っていて、とても愛らしい。

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中期から後期にかけて制作されたアブストラクト作品は、セラミック製の細かいピースが気の遠くなりそうな程びっしりとモザイクのように組み合わされていて、以前見た時はすごいなぁと感心はしてもそこまで惹かれなかったのだけど、今回9年ぶりに見てみると、その緻密さの中に浮かぶ色彩や浮遊感、見る者の想像力や心象風景を掻き立てるような、それでいて詩的で静謐な佇まいに、改めて唯一無二のアーティストなのだと思った。

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デザインミュージアムでの展示の時は、まだフィンランドに住む前で、当時付きっていた夫の所に遊びに来ていただけだったので、帰りのことも考えて分厚く重く高価な図録は泣く泣く諦めたのだけど、その後探してもまったく見つからず後悔したので、今回の展示では絶対に図録は手に入れようと決めて行った。EMMA編集の図録は、装丁も洒落た感じで素敵。デザインミュージアム版の方もいつのまにか再販されていたけれど。

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印刷になると、実際に見た時のエナメルコーティングされたようなキラキラ艶のある釉薬部分と、素焼きの艶のないマットな部分の対比など、質感がなかなか再現しきれていないのが惜しいところだけれど、次回Rut Brykの作品に再会出来るのはいつだろうか…と思いを馳せながら、家でゆっくりと作品を眺めるのは、やはり至福の時なのだった。


2016.07.04 | アート/デザイン

大人も愉しめる絵本

今月は誕生日だったので、自分で選んで夫に何冊か絵本をプレゼントしてもらいました。
その中の一つSaul Bass(ソール・バス)の「Henri's Walk to Paris」は、長い間絶版の幻の絵本だったのですが、ついに復刻されて手に取ってみたかった1冊です。

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さすがはSaul Bass。絵本を開くと、シンプルだけどグラフィカルな絵、洒落た色使いやレイアウトに釘付けになります。
1ページ1ページどれををとっても1枚のポストカードのように素敵なのです。何度もめくっては眺めています。
息子にではなく自分へ選ぶ絵本は、絵の雰囲気や装丁、デザインで手に取ることの方が多いです。
ストーリーは、小さな町に住むアンリはパリを目指して歩き出しますが…ラストは何だかほのぼのします。東京に住んでいた頃とヘルシンキに住む今を思いました。

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Saul Bassはアメリカの著名なグラフィックデザイナーで、映画のタイトルデザインやタイトルバックなども多く手がけています。ヒッチコックの「サイコ」やフランソワーズ・サガンの「悲しみよこんにちは」の映画のタイトルバッグも好きな作品です。活躍していたのは50~70年代辺りですが、古さを感じさせないセンスです。
まだ日本に住んでいた時、VJ(音楽にあわせて映像を動かすDJの映像版のようなものです)というのが出始めた時期に、友達がクラブでやるのを見に行ったり、自分達でもモーショングラフィックスを作っていた頃があったのですが、かなりSaul Bassは参考にされていました。タイポグラフィの動かし方や画面の切り返しなど、今見てもカッコイイのです。映画のタイトルバッグを集めたDVD「 Bass on titles」も輸入物で手に入れて、熱心に見ていました。
Saul Bassのデザインは今もその評価が高く、ポスターや映画タイトルバッグのアーカイブWebサイトもあります。興味のある方は覗いて見てください。
「Saul Bass on the web」
「The Saul Bass Poster Archive」


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もう1冊はアンデルセンの童話にSanna Annukka(サンナ・アンヌッカ)が絵を描いた「The Fir Tree」。グリーンの布張りの装丁が素敵で、本棚に飾っています。

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Sanna Annukkaはマリメッコのテキスタイルデザインでも知られています。
私もはじめて彼女の名前を知ったのはマリメッコです。どこかフォークロアなテイストも感じられる彼女のイラストはとても好みです。
イギリス人ですがフィンランドにもルーツがあるということで、以前マリメッコの展示会に行った時に彼女が、子供の頃は夏休み冬休みを母方の故郷ラップランドで過ごし、その情景や風景が創作のインスピレーションの源になっていると語っていた事も、なんだか嬉しくなりました。
ストーリーはちょっと切ないもので、フィンランドでもクリスマスに飾られたツリーは最後は外に捨てられて清掃車に運ばれてゆきます。毎年その光景を見るたびに、リサイクルなどの面でも毎年生木である必要があるのかな…と、ちょっと胸が痛んでいたので、そんなクリスマス後の風景が浮かんで来ました。アンデルセン童話はラストがもの悲しいものが多い気が…。
この絵本も、どこをとっても絵になるSanna Annukkaのイラストの世界が愉しめる一冊です。

他にも何冊かプレゼントしてもらったのですが、その話はまた今度。



2014.03.29 | アート/デザイン

Lämmin Joulu ランミンヨウル クリスマス展示イベントのお知らせ

フィンランドのクリスマスを感じてもらえるような手仕事品やワークショップ、トークイベントなどを毎年開催している「Lämmin Joulu ランミンヨウル」が今年も開かれます。

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今年は、私もお店「Käspaikka カスパイッカ」として参加させていただくことになりました!
フィンランドのクリスマスらしい、手編みのクリスマスボールオーナメントやフィンランドの手織ものなどの手仕事品を多数出品します。
直接フィンランドのハンドクラフト品をお手にとって見ていただける良い機会だと思いますので、ぜひお誘い合わせの上、お越しください!

2012/11/27〜12/2
ギャラリーTEN 東京都台東区谷中2-4-2 地下鉄千代田線 根津駅より徒歩6〜7分

イベント *トークイベント&コンサート中はギャラリーにご入場できません
11/27(火)は17:00〜 オープニングパーティ
       18:00〜 フィンランドカフェmoi店主岩間さんトークイベント
11/30(金)は18:30〜 Karluv207コンサート カンテレ&マンドリンDuo
12/01(土)は18:00〜 トークイベント「ふぃんらんど にゅっと、暮らしについての
            一考察」/翻訳家 上山みほこさん

ワークショップ *各日13:00〜/15:00〜 要予約・各回定員4名 お茶・お菓子つき
11/28・29・30・12/2「トントゥを作ろう」
11/28・29・30「ベルト織り・クリスマス色のキーホルダー」
11/28・29・30「フェルトのコロコロビーズアクセサリー」

2012.11.14 | アート/デザイン

「Alkuluku」展覧会のお知らせ

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3月1日からRaaheで始まりましたNiiranen Mayumiさんのグループ展覧会に声をかけていただき、福島の風景写真の提供をさせていただきました。

「Alkuluku」
Galleria Myötätuuli
Kirkkokatu 28 (3.krs), 92100 Raahe
3.1-3.24.2012
ma-pe klo 10-17
la klo 12-16

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まだ東京に住んでいた頃、帰省のたびに撮りためた四季折々の福島、そして3.11の震災・原発事故の3か月前に一時帰国した際に撮った写真。
当たり前すぎてカメラに納めなかった風景もたくさんあり、それが今は悔やまれます。
今も何も変わっていないであろう、故郷の風景。
しかし目には見えないかたちで変わってしまった福島。


残念ながらここフィンランドも原発推進国であり、展覧会の会場となっているRaaheの町から28km離れたPyhäjokiという町に、福島の原発事故後、世界で初めて原発建設の新規計画を発表。2020年には建設が予定されています。
チェルノブイリ原発事故でロシアの隣国であるフィンランドもまた多大な放射能汚染の被害をうけ、森や海など今もその汚染はなくなったわけではありません。
事故当時、フィンランドでは4000人の女性達による「1990年までに全原発廃炉にしなければ、私達は子供を生まない」という政府にたいする抗議と著名運動もあったようですが、私が知る限り現在のフィンランドでそのような脱原発への動きはとても乏しいように感じます。


↓ここから展覧会の内容にふれているので、行かれる方はネタバレ注意です。


【“「Alkuluku」展覧会のお知らせ”の続きを読む】

2012.03.04 | アート/デザイン

クリスマスイベントのお知らせ 2011

今年も北欧フィンランドに魅せられた8人の作家による展示会「Lämminjoulu(ランミンヨウル)2011」が開催されます。素敵で暖かなクリスマスの1週間です。フィンランドにまつわるワークショップや、トークショー、コンサートなど、様々なイベントをご用意してお待ちしています。
イベントや展示会の詳細はLämminjouluのブログをご覧ください。

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<開催期間> 2011.12.6(火)~2011.12.12(日)
<場所>   ギャラリーTEN (千代田線根津駅 徒歩7分)
       
<イベント>
・カフェmoi店主 岩間洋介さん トークイベント 12/6 17:00~ / 19:00~(オープニングパーティー)
・トントゥを作ろう! ワークショップ 12/6、7、9、10 13:30~ / 14:15~
・翻訳家上山みほこさん トークイベント 12/9 18:15~
・カード織 ワークショップ 12/7、8、9 13:00~ / 15:00~
・フェルト ワークショップ 12/7、8、9 13:30~ / 16:15~

2011.11.28 | アート/デザイン

Kultainen metsä 黄金の森

Metsä on sydämen koti 森は心のふるさと

フィンランド人にとって森は、なくてはならない重要な場所だ。
森からの恵みに感謝し、森で過ごす時間を大切にする。
嬉しい時も悲しい時も森へ行く。


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『フィンランド 森の精霊と旅をする - Tree People 』の著者である写真家Ritva KovalainenとSanni Seppoの『Kultainen metsä』という作品展があるというので Helsingin taidemuseo へ行って来た。

自然のつくりだした不思議なかたち、
神秘的で時には荒涼としたフィンランドの森の姿がそこにあった。
そして今回は、日本各地の樹齢何百年という神木も取り上げられていてた。

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古来より日本人も木や森を崇め、自然に畏敬の念を抱いてきたというのに、
時代とともにそれらは忘れられ、ついには放射能という見えない爆弾ですべてを汚してしまった…。


両手で木を抱きしめ、目を閉じ、耳を澄まし、木々の呼吸を感じる人々。
山の空気を吸い、木に触れ、森の中を歩く。

私は故郷の森へ、山へ、帰りたい。
心の底からそう思った。


2011.09.06 | アート/デザイン

クリスマスイベントのお知らせ

北欧フィンランドに魅せられた8人の作家による展示会「Lämminjoulu(ランミンヨウル)2010」が開催されます。フェルト、布小物、アクセサリー、手織りのマットの展示、各種イベント盛りだくさんで、フィンランドのハンドメイドやクリスマスの雰囲気が味わえます。
皆様お誘い合わせの上、ぜひお立ち寄りください!
展示やイベントの詳細はLämminjouluのブログをご覧ください。

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<開催期間> 2010.11.30(火)~2010.12.5(日) 11:00~19:00(最終日~17:00まで)
<場所>   ギャラリーTEN (千代田線根津駅 徒歩7分)
        
<イベント>
・カード織りのワークショップ 11/30、12/1、12/2、12/3 12:30~/15:30~(1回2.5h)
・フェルトで作る小さなアクセサリー 12/1、12/3 13:00~/15:30~(1回2.5h)
・カンテレ&マンドリンのミニコンサート 12/4 17:00~18:00
・切手で親しむフィンランド 12/5 14:00~(90分)

2010.11.23 | アート/デザイン

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