FC2ブログ

10年ぶりの着物

フィンランドへ移住して早10年。日本から苦労して持って来た着物を着ることはほぼなく…本当に箪笥の肥やしとなり果てていたのが、やっと日の目を見た。先日、久しぶりに着物を着る機会があり、次はいつ着られるかわからないので記録としてここへ残します。

kimono201901.jpg

この日はとあるパーティへ出かけるので、色留袖に唐織の帯で。色留袖といっても紋は入っていないので、訪問着くらいの格。帯もたぶん丸帯を仕立て直したものなので名古屋。どちらも戦前のアンティークもので、ピーコックグリーンの着物の色は珍しいので探したもの。襟はビーズ半襟をかけて、バッグもヴィンテージのビーズ。帯締めは最初は金糸入りのを締めたけれど、改まり過ぎな気がしたので、結局アンティークの黒水晶の帯留に真田紐で落ち着いた。

kimono201903.jpg

うーん…年齢を考えると、もう少し抑えめの組み合わせの方がよかったとは思うけれど、フィンランドへ来るときにかなり処分してしまったので、もう小物や帯も合わせられるものがないのだった。さすがに10年前と同じようなコーディネートには無理があるよね…。

kimono201902.jpg

ずっと着ていなかったせいもあり、着付けもなかなか上手くきまらず。出産後太って体型が変わってしまったのもあり、帯も短くて困った。写真に撮ると客観的に着付けの注意点が分かる。それでも何度か練習しているうちに着物の楽しさが蘇って来て、ああ着物の世界はやっぱり楽しいなぁと思ったのだった。

kimono201904.jpg

でもまたなかなか着る機会はないだろうな…。


2019.02.12 | 日本を想う/福島を想う

坂道と函館山

hakod00.jpg
フィンランドは真っ平らな国で、山といえるような山はないので、急な坂道がある街というものもほとんどなく、函館のような起伏に富んだ地形は、とても新鮮に感じた。
海があって山もあり、和洋折衷の家々の佇まいも素敵な街、函館。

hakod09.jpg
hakod10.jpg
函館には沢山の坂道があり、函館山に行くまでの坂の途中には洋館やそれを利用した素敵なカフェが幾つも並んでいて、日本でも何処でもないような不思議な異国情緒を感じさせる。

hakod01.jpg
hakod02.jpg
hakod03.jpg
hakod04.jpg
外国人墓地はロシアや中国、プロテスタント、カトリックなどに分かれ、みんな海を見下ろせる一等地に建てられていて、祖国へ帰ることなく異国で最期を迎えた人々を悼み弔ったのだろう。

hakod06.jpg
hakod07.jpg
hakod08.jpg
自分は死んでもお墓はいらないと思っていたけれど、こんな場所に埋めてもらえたら、安らかな眠りにつけそうな気がした。



【“坂道と函館山”の続きを読む】

2017.07.09 | 日本を想う/福島を想う

小樽・余市へ

0taru00.jpg
2年ぶりに一時帰国した足で、今回は1週間ほど北海道を旅して来た。
まずは仙台空港から札幌千歳空港へ飛び、小樽へ直行。
翌朝は、朝市で腹ごしらえした後、小樽から電車で30分くらいの余市にあるニッカウヰスキー余市蒸留所へ。

nikka00.jpg
nikka000.jpg
nikka01.jpg
マッサンは見ていなかったけれど、ウイスキー作りにかけた情熱が伝わってくる酒蔵や建造物たち。異国でその生涯を終えたリタの人生についても思うところ多し。ウイスキーの試飲も色々出来て、夫はハイボールが気に入ったよう。

nikka02.jpg
nikka05.jpg
余市という町の名は、かなり昔から知っていて、学生時代に寮の隣室にいた友人の出身地だった。ワイン作りなども盛んで、彼女の父親も果樹園をやっていると言っていた。あれから長い年月が過ぎ、彼女とは疎遠になり今は消息もわからないけれど、どこかで元気にやっていることを願う。

nikka03.jpg


【“小樽・余市へ”の続きを読む】

2017.07.04 | 日本を想う/福島を想う

我が家のお正月とお節

明けましておめでとうございます。

nw201701.jpg
また昨年の暮れも、お節を作った。ここ数年毎年作っているうちに、冬馬も覚えていて楽しみにしてくれるようになり、フィンランド人の夫も日本食好きで抵抗がない楽な人なので、すっかり恒例となった。
フィンランドのクリスマス料理も一応作ってはいるけれど、ほとんどがオーブンで焼けば出来るものなので、それに比べると日本のお節はその何倍もの手間と時間、そして海外では日本の数倍の高い材料代もかかる。
それでも、元旦のちょっと改まった特別な空気や清々しい気持ちが頭に浮かんでくると、そこにはやはり、お節があってほしいので、手に入る限りの材料で、毎年なんとか頑張って作るのだ。

nw201702.jpg
nw201703.jpg
今回はサツマイモが手に入ったので、栗きんとんも作った。くちなしの実がないので、鮮やかな黄色にはならないけれど、栗もサツマイモも大好きな冬馬は喜んでくれた。そういえば母の栗きんとんも自然な感じの色だった。
母の作るお節は、ねじり梅の人参や花形の蓮根などの飾りはないけれど、慈姑(くわい)や百合根、長老喜(ちょろぎ)なども入っている、煮しめ中心の素朴な田舎のお節だった。
ストーブの上に鍋をのせてコトコト何時間も黒豆を煮ていたり、「いかにんじん」という福島のお節に入るスルメイカと人参を瓶に漬込んでいたり、暮れは朝から晩まで立ち働いていた姿が思い浮かび、お節を作っていると、子供の頃の台所の情景が蘇って来る。
いろいろ教わる機会もないまま母はすでに亡く、遠い記憶の糸をたぐり寄せながら、インターネットで調べたり、実家では作っていなかったメニューや初めて知るレシピも多く、自分が作るお節は我が家だけのものになった。

nw201704.jpg
妹が日本から送ってくれたドラえもんの子供用包丁に、冬馬は大喜び。5歳くらいから時々ピーラーで、にんじんの皮むきなどを手伝ってくれたりするので、さっそく包丁を使って切ることを教えた。最初は怖々やっていたけれど、面白かったようだ。将来は、自分でお節を作れる男子になってくれるとさらに嬉しいけれど(笑)

nw201705.jpg
フィンランドでは、1月6日のLoppiainen・公現祭まではクリスマスツリーを飾っておく家が多く、我が家もクリスマスイヴぎりぎりにいつもツリーの生木は飾るので、1週間程度で捨てるのは忍びなく、この日まで居間にはツリー、ダイニングには鏡餅という珍妙なことになっているけれど、そこは日フィン家庭ということで、我が家独特のお正月でいいかな…。
ありがたいことに、妹からの小包にはしめ飾りも入っていて、今年はかなりお正月らしくなった。
冬馬は日本語補習校などで、日本の行事をいろいろ教えてもらってはいるものの、実際に体験したことの方が印象に残ると思うので、元旦はなるべく日本のお正月を感じてもらいたい。目で見て舌で味わうお正月は、やはり日本の素晴らしい美意識と文化だと思うのだ。


2017.01.04 | 日本を想う/福島を想う

重箱とお節

ラップランドから帰って来た後の大晦日は、恒例と化したお節作りをした。
今年は重箱があるので、やる気が上がった。

ojyu01.jpg
昨年夏の一時帰国で行った会津で、ずっと念願だった会津漆器の重箱を、白木屋漆器店で見つけることができた。艶やかな漆塗りの黒に、金色の松と朱色の初日の出をあしらった、シンプルでモダンなデザインが気に入った。日の出の部分は一段づつ少し窪んでいて、重箱を持ち上げやすいように作られている。内側の朱赤もアクセントになっている。
白木屋漆器店は江戸時代に創業した老舗で、土蔵作りの建物や和洋折衷の店内もとても素敵だった。小さな美術館のような展示室もあり、見ごたえがあった。

osechi201600.jpg
乾燥黒豆を普通のスーパーで見つけたので、今年は自分で作ってみた。煮ている時に、絶対に豆を空気に触れさせないという、おばあちゃんの知恵袋的な注意を守ったら、ふっくら柔らかでシワも寄らずツヤツヤに出来た。実は今まで黒豆はあまり好きではなかったのだけど、これは小豆みたいに甘くて汁もたっぷりで美味しい。今年は金柑も見つけた。というか、以前からたまに見かける度にそうでは?と思っていて、やっとフィンランド語を調べたらやはりそうだった。これは甘露煮に。キラキラ光るオレンジが美しく、甘酸っぱくて美味しかった。また来年も作りたい。

osechi201601.jpg
お節覚え書き:筑前煮、蒸し玉子、いくらの醤油漬け、黒豆、海老のうま煮、八幡巻き、たたき牛蒡、金柑の甘露煮、なます、枝豆
結構残るかなと思っていたら、昼食に出しただけで、冬馬も夫も全てあっという間に平らげてくれて、お重は空っぽになった。

hisagomeisara.jpg
日本の祝いの形や食材には、それぞれ意味があるので、それを考えながら作るのも楽しかった。
白木屋さんでは、大好きな瓢(ひさご)の形の銘々皿も見つけて、それも手に入れておいた。少しづつ故郷の漆器を揃えて、お正月に毎年使うのも楽しみになりそうだ。


2016.01.03 | Comments(4) | 日本を想う/福島を想う

日本での夏休み

日本の夏は、湿気を含んでいて緑が濃いなぁと感じた。
じっとしていても汗がにじんで来るほど暑い夏。夕立の雨の匂い。しっとりと咲く紫陽花。人混み。
ほんとにこの感覚は久しぶり。

nihonatsu01.jpg
一時帰国中、東京では初めてマンスリーマンションを借りて長めに滞在してみた。
フィンランドに移住するまでずっと暮らしていた中央線沿線の街に部屋がみつかったので、まるで日本に戻って暮らしているかのような滞在ができた。
地元の友人と会って一緒に懐かしいお店を覗いたり街を歩いていると、ずっとここで暮らしていたような、タイムスリップしたような気持ちになった。

息子が生まれてから日本滞在中は、友人の子ども達と一緒に遊ぶ機会も増えて、みんな同時期くらいに結婚したり子供が生まれたりして、独身時代は飛び回ってよく遊んでいたのが、今はお互いの子供も一緒というのはなんだか感慨深い。

nihonatsu02.jpg

nihonatsu03.jpg
長い長いフィンランドの夏休みはまだまだ続く。


2015.07.08 | 日本を想う/福島を想う

帰郷

3年ぶりの一時帰国。成田から真っ直ぐ、震災後はじめて故郷の福島市へと向かった。

kikyo01.jpg
沢山の人々が大きな波に翻弄されたにもかかわらず、久しぶりの故郷は何も変わっていないようにそこにあった。
その何も変わっていないような風景の中に、時折見慣れないものが目に飛び込んで来るのだけれど、それさえももう日常のものとなっていて…。

kikyo02.jpg

kikyo03.jpg

苦しみ、悲しみ、怒り、迷い、願い

それでも毎日は過ぎてゆく

あの日から4年という歳月は確実に流れ

変わったもの、変わらないもの

今もここには人々のささやかな暮らしがある


遠く離れていても、ここが私の原点

私に出来ることは、ここから目を反らさず

これからも見続けてゆくこと





2015.07.04 | 日本を想う/福島を想う

フィンランドでおせち作り 2015年

明けましておめでとうございます。

ロヴァニエミから帰宅後、今年のおせち料理は、体調が思わしくなかったのでパスしたかったけれど、帰省前に品切れを予想して、すでに様々な日本食材や野菜類を買い込んでしまっていたので、それらを無駄にしたくない一心で、フラフラしながら台所に立った。料理し始めるとけっこう熱中してしまい、一日中立ちっぱなしで疲れたものの、作り終えた時には咳や頭痛などはすっかり吹っ飛んでいた。
いつもの、お雑煮、お煮しめ、酢れんこんなどを作り、あとは手に入れておいたカマボコや黒豆、塩茹での海老を買って来た。

20150sechi.jpg
福島のおせち料理でよく食べる、青豆と数の子を合わせた「数の子豆」は、今年は冷凍の枝豆が手に入ったので代用。数の子は無理だけど、黄色でつぶつぶした卵のようなものがこちらのスーパーでも売られているので、それを合わせたら見た目はちょっとそれらしくなった。このつぶつぶ、フィンランド語の名前を見ると魚の卵ではなく海藻らしいのだけど、どういうものなのかよくわからない。ちゃんとレモンで塩味もついているので、和えるだけで簡単。味も「数の子豆」に似てる…と言えなくもない。

kazunokomame2015.jpg
他に今年は栗きんとんも作った。フィンランドでも秋に少しだけ栗が出回るので、その時に甘露煮にして冷凍しておいたので、今年はなんとか作ることが出来た。くちなしの実は手に入らないけれど、サツマイモをオレンジ果汁で煮ると色がつくという、知恵袋的情報を見てやってみたら、けっこうちゃんと黄色くなった。
今年は、妹が日本からお餅を送ってくれて、お店でもいろいろ手に入ったので盛るだけのものも多く、短時間で何種類もお皿を埋めることが出来て助かった。

kurikin2015.jpg
冬馬は食べないかも…と思っていた、「数の子豆もどき」は意外に好評で、沢山食べてくれた。一方これは好きだろう、と思っていた栗きんとんは、見ただけで最初拒否されガックリきたが、私が食べているのを見てイヤイヤ一口味見したらイケル!と思ったらしく、後からパクパクもっとないの?と聞いてくる程食べた。
夫はというと、フィンランド人にしては初めての日本食材でも大人しく受け入れて食べる方なので、一応一通り全部食べていたが、頭の中では「ナンダっ!?コレワっ??」と渦巻いているのが表情からわかる(苦笑)。それでも付き合って食べてくれるので、ありがたいけれど。

海外で材料も揃わないし、家族も日本人じゃないし、作らなくてもまったく問題ないおせち料理だけれど、日本のお正月気分を少しでも味わいたいという、悲願にも似た気持ちが私におせちを作らせる(笑)。
移住してからすでに6年日本でお正月を過ごしていないけれど、いつか冬馬にも本当のお正月を味わってもらいたい、と思ったりもする年の始め。

今年もよろしくお願いします。

2015.01.05 | Comments(12) | 日本を想う/福島を想う

«  | HOME |  »

プロフィール

maco

Author:maco
3人と1匹フィンランドの日々
・söpö~日本での日々
・postimerkki
 ~切手蒐集の愉しみ

My flickr

maco-motion. Get yours at bighugelabs.com

リンク

北欧のアンティーク雑貨と手仕事の店 カスパイッカ
Instagram

月別アーカイブ